箕面の森について
箕面は大阪府北摂の山々の連なる一角にあります。約1400年も前から山伏の霊場(西江寺、瀧安寺など)として知られています。また、観光地としても長い歴史があります。
箕面山は、1898年(明治31年)に大阪府で最初の自然公園になり、1910年(明治43年)、箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)によって住宅街が開発されました。また国内3番目の動物園ができ、観光旅館「橋本亭」が開業。その後多くの旅館や観光施設が滝道を中心に建設され、観光地として整備されました。
1967年(昭和42年)には、明治百年記念事業として、東京の高尾山と共に明治の森国定公園に指定されました。
箕面は霊場や、観光地としての長い歴史があるにも関わらず、自然が保存されている稀な地です。大阪の北の中心地、梅田から電車で30分あまりで滝と渓流と森に遭遇できるのです。瞬時にして、都会の喧騒を忘れさせる全国でも数少ない景勝地です。かつて林野庁の「森林浴の森100選」に選ばれたこともあります。また、箕面の山は、昆虫の食餌植物(食草・食樹)に恵まれ、日本3大昆虫生息地(他の2つは京都の貴船と東京の高尾)として有名です。(植物=約1300種、昆虫=約3500種)阪急箕面駅から滝までわずか3kmの道のりです。
滝道に差し掛かるや、森林の香りと渓流の水音とともに涼風が頬を過って行きます。森林からはフィトンチッドが、滝や渓流からはマイナスイオンが放たれています。滝道は私たちの心身をリフレッシュさせ、精神を安定させてくれます。春は緑が目の疲れを癒し、秋はもみじの紅葉が目を楽しませてくれます。五感にやさしい箕面の自然は私たちに恩恵(めぐみ)をもたらしてくれるのです。
箕面の自然には、人間と長い間共生してきた温かさがあります。人と共に創り上げてきた文化や歴史があります。もはや箕面は原生的自然ではなくなりましたが、滝道には約1400年もの間、語られてきた物語があるのです。 |