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箕面の森アートウォークについて 中谷 徹 箕面の森アートウォーク プロデューサー |
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箕面は、古くから大滝と紅葉で知られ、年間200万人もの人々が訪れる北摂屈指の観光地です。アートウォークが開かれる滝道には、1350年もの長い歴史があります。古くは、658年、役行者が大滝のもとで修行をしたと言われています。以来、滝道は人々の往来が頻繁にあり、また、西江寺、瀧安寺など歴史的な建造物もあり、もはや箕面はまったくの原生的自然ではなくなっています。人間の営為が加わった自然なのです。つまり、文化的、歴史的な意味を担った自然(二次的自然)と言えます。そうした長い歴史に支えられた、人間と自然の豊かな関係において拓かれた滝道に美術作品を設置することは、美術の視点においても、観光の視点においても意義のあることです。 近年、観光地ではニューツーリズムとして、新たな観光分野が創出されています。エコツーリズム、グリーンツーリズム、アートツーリズムなど、これらの新しい分野に通底しているのは地域独自の魅力を生かした地域密着型・体験型・交流型観光を目指していることです。観光事業のあり方は、風景や景観の美しさに価値をおくことから文化や歴史的背景に価値をおく、持続可能な観光へと方向転換しつつあります。このことは、私たちが目指すアートのあり方と新しい観光事業の動きとが、まったく符合するのです。 イベント会場としての滝道は近年よく芸術祭が催されている過疎地、観光地と異なり、ビジネスが衰退しているわけでも、再生を必要としているわけでもありません。私たちは、そういった町興し的な視点ではなく、年間200万人もの人々が訪れるこの観光地で来訪者に現代アートに触れていただき、箕面の風景や景観の美しさはもちろんのこと、その背景にある箕面の文化をアーティストの視点で、明治の森箕面国定公園を紹介したいのです。 しかしながら、「場」としての滝道は、よく知られた観光地であり国定公園であるがゆえに、作品の展示およびパフォーマンスのための「場」は予め用意されていないのです。アーティスト自らが店主や管理者にプレゼンテーションを行い、会場獲得に努めなければなりません。参加アーティストは、多くの観客に恵まれていますが、多くの制約の下、作品を制作しなければなりません。そのためにアーティストは、より高い力量とより完成度の高い作品が求められます。 本イベントでは、関西を中心に活躍している現代アーティストを招待し、箕面の自然・歴史的建造物・史話・施設などをテーマにしたサイトスペシフィックなアート作品を阪急箕面駅から大滝に至る滝道沿いやその周辺の施設や店舗などに、設置します。また、サイトスペシフィックなダンスパフォーマンスや、ワークショップなども企画しています。 サイトスペシフィックアートは、文字通り設置される環境や文化、歴史そしてそこに関わる地域の人々の生活を反映した作品を指します。その地域の人々の生活に密着し、現代アートの仕掛けによって来訪者(観光客・観客)が箕面の歴史、文化(風土)とかかわり、風景の再発見に繋がる、そういったアートイベントを企図しています。
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箕面の森アートウォークロゴマークについて
テーマ俳句 2017: 悠久の瀧轟々と初紅葉 箕面の森アートウォークでは橋本亭まるごと美術館としてスタートした2009年から、 毎回のサブキャッチを兼ねた俳句を梶山尚星氏にお願いしてきました。 梶山尚星 平明にしてさわやかな詩情と現代感覚豊かな俳句を創作。 俳誌『七星』を主宰。 主催:箕面の森アートウォーク実行委員会 総合プロデュース:コンテンポラリーアートギャラリーZone 後援:大阪府、箕面市、箕面市観光協会 協力:箕面公園管理事務所、大江戸温泉物語 箕面観光ホテル・箕面スパーガーデン、 KAJIKASOU、賃貸住宅サービス、紅葉 助成:大乗弘照箕面芸術文化振興基金 |
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