ジュリアン・ロジャーズ展「網膜への挑戦」2016年6月11日〜6月23日

ロジャーズは、昨年、ロサンジェルスACMEギャラリーでの個展において全作品を完売するなど、新進気鋭のアーティストとして注目を集めています。

アーティスト・ステートメント
私が制作する絵画は、自然やその有様を観察し描く伝統的な静物画と考えられます。凸凹した岩肌に様々な果物を配置した静物画、そのテクスチャーや構図、熟達した描写力等々どれをとっても、まさに典型的な静物画といえるでしょう。

しかし、全体に画面が静物画にしては、驚くほど薄暗く処理されているので、観客は描かれているものが何か判然としないのです。写実的に描かれた絵画であるがゆえにかえって、確かめようとする気持ちが働き、それを抑えられなくなるのです。観客は、絵に目を調節させなければならなくなります。しかし、われわれの目は、薄明かりの中では明暗だけを認識しますが、ここではその代わりに観客は新しい色域を獲得することになります。淡い青色や灰色の色域から、黄や赤や橙などの色が見えてくるのです。だが、それらは紛れもなくただの青色であり灰色なのです。

このように、私の絵画の特徴を考えると、抽象画ともとらえられますが、あくまでも静物画として全く新しい領域を求めています。


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